その所在図、正しいですか？

インターネットの地図サイトは、まれに正しく表示されない場合がある

車庫証明のご依頼を受けると、所在図に関して、依頼主からインターネットの地図サイト（Google マップ、Yahoo!地図　等）で印刷したものが送られてくることがよくあります。

当事務所では、警察署に提出する前に、書類一式を一通りチェックするのですが、まれに「これは間違ってそうだよな・・・。」というような所在図が送られてくることがあります。

お送りくださった担当者が何のチェックもしないのか、はたまた、チェックしたけど気づかないのか、理由は定かではありませんが、お送りいただいた配置図と照合したり上記のインターネットの地図サイト等で確認すると、明らかに間違っているのです。

たとえば下記の場所

【富山県富山市藤木736-23】

上記場所をGoogle マップで検索しても、2022年10月時点では正しく表示されませんでした。

「富山県富山市藤木」という大きな枠でしか表示されませんでした。番地なんてかすってもいません。このような感じのもの（上記は明らかに正しい場所を表示しておりませんので、縮尺をもっと小さくしたもの）が、上記の場所の所在図として当事務所に送られてくるのです。

そこで当事務所はどうしたかというと、上記の場所をYahoo!地図でも検索をかけてみます。すると正しく出てくるのです。

送られてきた配置図と照合すると、どうやら正しそうだ・・・。よかった・・・。やれやれ・・・。

もう一か所・・・

【富山県富山市中島4丁目14-5】

上記場所をGoogle マップで検索しても、2022年10月時点では正しく表示されませんでした。

こちらは藤木の場所よりマシで、「富山県富山市中島4丁目14」まで出てきました。正しい表示まであとちょっとです。藤木の場合と同じく、こちらもYahoo!地図でも検索してみました。

正しく表示されるのです。
（Google マップとYahoo!地図では建っている建物等の様子もだいぶ違っていますね。）

大切なこと

• 表示された場所に何の疑いも持たない　という意識をまずはやめる
• Google マップ、Yahoo!地図、その他のサイト等、複数サイトで検索してみる

  変わる街並み

• Google マップのストリートビューを活用する

  ストリートビューの撮影日

  違った角度から見てみると

• 地図サイトで表示された場所と配置図を照合する

所在図をインターネットの地図サイトを用いて作成するうえで大切なことは上記のようなことだと思います。上記のようなことをして、インターネットの地図サイトで出てきた場所が正しいと判断されれば、それを印刷して所在図とすればよろしいですし、もし疑義が残るようであれば、申請者等に確認する必要があるかと思います。

そのようなことをしてもはっきりしない場合は、ブルーマップ等を用いて調べる必要が出てきます。当事務所としても、その段階まで行くと、所在図作成に関する料金をいただくことになりますので、依頼主様といたしましては、ご注意いただければと思います。

→ブルーマップとは（国立国会図書館HP）

車庫証明申請手続きサービス【富山県内全域対応】

【追記】集合住宅の場合は不動産会社のサイトも見てみる

2025年5月に依頼を受けた案件です。その際に依頼元より送られてきた所在図と配置図はこちら。

【所在図】

【配置図】

上記を見ると、あきらかに所在図は戸建て住宅を指しており、配置図はアパートっぽい場所に見受けられますよね（ちなみに、車庫申請書に記載されている「使用の本拠の位置」と「申請者の住所」はアパートであり、「保管場所の位置」も同じ場所）。

「所在図で指している戸建て住宅は、もしかしたら今は取り壊されており、アパートに建て替わっているのかな？」と思い、Google マップの航空写真やストリートビューでも見てみましたが、そんなような形跡は見られません。

そこで、地図サイトではなく、今度はネット検索で不動産会社のホームページを見てみることにしました。「おおよその地名＋アパート名」で検索するといくつかの会社のページが出てきます。

今回は下記のサイトによって、無事にアパートの場所を特定することができました（ちなみに、今回のアパートは大東建託の物件）。

• LIFULL HOME’S
• いい部屋ネット

「LIFULL HOME’S」なんかは、ほかの案件でも調べたことがあり、割と正しい情報が出てくるイメージです。また、今回のように大東建託のアパートなら「いい部屋ネット」で調べるのも適切かもしれません。ほかにも、「アパマンショップ」や「SUUMO」などのサイトもあります。一つのサイトで分からなければ、いろいろなサイトを見てみるのもいいでしょう。

ただし、まれに間違った情報を掲載しているサイトもありますので、そのあたりをあらかじめ踏まえて、様々な情報を総合的に活用して、注意しながら利用するようにしましょう。